「旅するスクール」の第2期が始まりました。

「旅するスクール」とは、ライティングとカメラを学び、長野県塩尻市のシティプロモーションサイト『塩尻耕人』の取材、記事作成まで参加者が行うというもの。塩尻市とNPO法人ハナラボによる、都市と地域をつなげる人材を育成するプログラムです。

2017年2月に1期が開始したこのプログラム。2期はキャンセル待ちも出るくらいの人気ぶり!

今回は、8月12日(土)~13日(日)に塩尻市で行われた、Aチームのカメラ講座や取材の様子をお伝えします。

まずは、絶品ランチとミーティングでスタート!

Aチームの参加者は東京から9人。みなさん、東京やWEB配信でライティング講座をすでに受講済みです。

初・塩尻の方もたくさんいて、到着直後は、みなさん緊張の面持ち。

まずは、『ラ・メゾン・グルマンティーズ』でランチミーティングを行いました。

名前、ニックネーム、参加した理由などを順番に言った後は、「名前リレー」で楽しくみんなのニックネームを覚えることからスタート。緊張気味だったみなさんの表情もだんだんと笑顔に。

そのあとに待っていたのは、友森シェフ特製の絶品ランチ!

地元食材を贅沢に使ったランチに、参加者もスタッフも笑顔で会話が弾みます。

ランチのメインは、何と言っても「アカヤマドリダケ」。肉厚で濃厚なキノコの旨味を丸ごとパスタで堪能。ごちそうさまでした。

奈良井宿でカメラ講座、ポイントは“笑顔”

さて、お腹を満たした後はお勉強の時間。

奈良井宿に移動して、今回の宿泊場所でもある「ならのき家」でカメラ講座を受けます。

講師は、1期からカメラを教えてくださっている望月葉子さん。

望月さんは、ウエディングの現場で1000組以上の新郎新婦を撮影。現在は、その経験を生かしてウエディングの撮影だけでなくポートレイト写真、家族写真など様々な写真を撮影。今回、参加者が記事作成する『塩尻耕人』の写真も担当されています。

望月さんのカメラ講座は、露出やISO感度などカメラの技術的な話や撮影の構図の話など、より魅力的な写真を撮るためのアドバイスがいっぱい。

特に撮影するときは「笑顔」で撮り続けることが大事、また、より“伝わる”写真を撮るために構図が大事という話はとても印象的でした。

もちろん、塩尻耕人の記事用の写真を撮るための注意事項もばっちり確認して、取材に臨む準備を整えます。

参加者は、お互いのカメラを覗き込みながら確認しあったり、写真を撮りあったりと楽しく講座を受けていましたよ。

夏祭りの奈良井宿を散策

カメラ講座も一段落したころ、ちょっと休憩して奈良井宿の散策に出発。

奈良井宿は、旧中山道の宿場町だった場所。江戸時代から明治時代の建物が全長1キロにも建ちならび、ノスタルジックな街並みが魅力的な場所です。

8月12日(土)は、なんと奈良井宿内にある鎮神社の夏祭り。

ほぼ1日をかけて、鎮神社のご神体が奈良井宿を周る大事なお祭りなのです。そのため、奈良井宿もいつもとはちょっと違った雰囲気。家々の軒下には提灯が下がり、格子戸は取り払われて御簾がかかっています。ご神体が巡ってきたタイミングで家々は御簾を上げ、お練りの面々にお酒や料理を振る舞います。

参加者は、まちの様子や祭りの風景、お互いの姿などを写真に収め、先ほどのカメラ講座で学んだことを実践していたようです。

取材【講師】翻訳家 土屋みどりさん

お祭りを一旦離脱して、参加者は塩尻市街に再度移動。

今回は、講師陣が行う『塩尻耕人』の取材を見学させてもらえることになっていたのです。

ライターは、ライティング講座の講師をしてくださった、川内イオさん。

川内さんは「規格外の稀な人」を追う稀人ハンターとして活躍する、フリーライター。なんとあのメッシのインタビューをしたこともある方なのです。

フォトグラファーは、先ほどカメラ講座をしてくださった望月葉子さんです。

取材を受けていただくのは、土屋みどりさん。

塩尻市内で翻訳家をされているかたわら、コワーキングスペース・シェアオフィスの「MIMOZA」の運営、女性の就業支援団体「ココノチカラ」代表など多方面で活躍中。奈良井宿でも外国人向けにAirBnBを運営するなど、すごくアグレッシブな方でした。

川内さんのインタビューは、土屋さんのご家族のお話や、ご自身のターニングポイントになった出来事などポイントを的確に質問していく様子は、さすがプロの技。

望月さんも川内さんが聞き出す土屋さんのお話を聞きながら、いろいろな方向から土屋さんの写真や取材場所の「MIMOZA」の写真をおさえていきます。

土屋さんのお話は、横で聞いているだけでもとても興味深いお話しでした。

「英語ができるレタス農家」で育った土屋さんのグローバルな幼少体験。アメリカ留学のきっかけとアメリカでの生活。塩尻に戻るきっかけとなった事件。塩尻に戻ってから今の活動をするまで。今の活動と今後のこと。詳細は、記事の完成をお待ちください。

取材01「Bar On the Road」マスター 米窪直美さん

ついに、参加者が取材をするときがきました。

参加者は3人ずつのグループに分かれて、それぞれ編集者・ライター・カメラマンの役割を務めます。

一人目の取材は、塩尻市内にある「Bar On the Road」のオーナー、米窪直美さん。

米窪さんは、ご自分のお店で全国のミュージシャンのライブを積極的に行うほか、しおじりミュージックフェスティバル「しりフェス」を主催。さらに、長野県の「信州おもてなしマイスター」の認定を受けている“おもてなし”のプロです。

女性一人でも飲みに来られる店を塩尻に作りたいと始めたお店のコンセプトは『あなたのもうちょっとに寄り添う店』。もうちょっと飲みたい、もうちょっとおしゃべりしたい、もうちょっと誰かと一緒にいたい、そんな女性の希望を叶えるためにお店をつくったそうです。

「Bar On the Road」への思い、ご来店されたお客様への思い、音楽やミュージシャンへの思い、そしてそれにつながる「おもてなし」や「しりフェス」への思い。どれも聞き入ってしまうお話しばかり。

カウンターの向こうに立つ姿やお話の内容に、取材していた参加者も横で聞いていたスタッフも、みんな米窪さんのファンになっちゃいました。

「次は営業時間に、飲みに行きたい!」と思う魅力的なお店とマスターでした。

夏祭り最高潮!

取材を終えて奈良井宿に帰っても、まだまだ夏祭りは続いています。

参加者も塩尻市スタッフの紹介で、地元の方のお宅にお邪魔して、親戚のようにお料理やお酒を頂き、わいわいとお話ししました。

夜も更けて、23時頃から奈良井宿を周り終わったご神体は、鎮神社に帰っていきます。ご神体を乗せたお神輿は、振る舞いのお酒の影響もあり、よろめきながら神社に向かっていきます。

家々から出てきた人々は、お神輿の後ろについて歩きながら、右に左に傾くお神輿をハラハラして見守ります。

無事に神社まで戻ってきたお神輿からご神体が戻されると、祝詞をあげてお祭りは終了。人々は神社にお参りをして帰っていきます。

奈良井宿の街並みを、漆塗のお神輿が通る様は、とても風情があり、地元の一員になったかのようなお祭り体験は、とても貴重なものでした。

後編に続く

文:高橋祐香 写真:伊藤実沙子