2月1日の夜、塩尻市のサンサンワイナリーで「旅するスクール ライティング講座#基礎編」を開催しました。19時に開始して、なんと23時近くまで。熱気むんむんの講座となりました!

2月18日には東京でも開催されますが、今回は塩尻での熱い夜をお伝えしたいと思います。ライティング講座の講師は、紫牟田伸子さんです。

紫牟田伸子さんといえば、「シビックプライド」という文脈で知っているかたも多いのでは?

シビックプライドは、地方からロンドンに移り住んできた人たちが「この街のために何かしていこうよ」と動き出したことから広まった考えかたです。つまり、単なる郷土愛ではなく、どこから来た人であっても「この街をよくしていこう」と自分自身が主体的に街に関わっていこうとする気持ち、それがシビックプライドなんです。

旅するスクールでは、塩尻市在住のかたと塩尻市以外に住んでいるかたが一緒に、塩尻市の魅力を見つけて発信します。まさに、自分が関わっている街に対して主体的に関わる取り組みなんですよね。

編集=可視化・価値化

紫牟田さんの肩書は「編集家・プロジェクトエディター・デザインプロデューサー」とさまざま。

編集というと雑誌や書籍の編集を思い浮かべるかもしれませんが、紫牟田さんはすべてのものを編集対象として捉えています。例えば、地域の企業を集めてコンソーシアムブランドを生み出したり、その地域の独自性を見出してブランディングしたり。これまで見えていなかった資源を可視化し、それを価値化することが編集なのです。

例えば墨田区では、日常生活を支えるものづくりをしている工場がたくさんあります。また、墨田区といえば「花火」「お花見」が名物。そこで、墨田区で作った道具で「花火」や「お花見」楽しもうというコンセプトで、新しいプロダクトを作ったそうです。

元々はデザイナーとして仕事をしていた紫牟田さんが「編集家」という肩書を使うようになったのは、こんな背景があったからなんですね。なんでも編集できると思うと、可能性が広がります。では、いよいよライティング講座がスタートです!

文章は、行ったことのない人に、見たことのない人に見たものを伝えること

紫牟田さん自身は「文章はうまいと思っていない」とおっしゃいます。でも、人に興味があって好奇心があるから、さまざまな人やもの、場所に出会います。すると、実際に目にしたものを誰かに伝えたくなります。だから文章を書くそうです。大切なのは好奇心と、それを伝えたいという気持ちなんですね。

よい聞き手はよい話し相手である

旅するスクールでは取材した記事を「塩尻耕人」というWebメディアに掲載します。「塩尻耕人」とはその名の通り「塩尻を耕す人」を伝えるメディアです。だから「人に聞いて、書く」が基本になります。

インタビューした相手がやっていること、考えていること、やりたいこと、その手法、周りの人との関係性・・・ いろいろな話をどうやったら引き出せるのでしょうか。

人によって個性がありますから、インタビューの仕方に決まりはありません。でも、一つ言えるのは、どんな話し方であれ「よい聞き手はよい話し相手」なんだそうです。そう考えると、自分でもできそうな気がしてきますね。

このあと、こんなキーワードを提示しながら、紫牟田さんの経験から導き出した、珠玉のエッセンスを惜しみなく伝えてくれました。

「メモしながらでも、録音しても」

「明るい顔をしよう」

「いい相槌のうちかたを知ろう」

「相手の魅力を見つけよう」

「相手の話で思い出した自分の経験の話や経験を短く、挿入してみる」

「整理するには、流れを聞くこと」

「話したくなさそうな話題だったら、切り上げる」

「相手の話したことを、いったん自分の言葉にしてみる」

「相手と自分が共有した時間がどちらも楽しい時間だったか」

読んだときに心に残る文章を

続いて、文章の書き方についてのレクチャーです。

「塩尻耕人」の記事を題材に、文章の書き方、見出しの付け方、写真の選択、配置について説明してくださいました。掲載するメディアが決まっている場合は、メディアにあわせて話を聞き、原稿を書きます。

フォーマットが決まっているといえども、何を伝えたいかによって表現方法は異なります。臨場感を伝えたいのか、活動全体を伝えたいのか・・・内容にふさわしい表現方法を見つけるのは簡単ではありません。取材の中で感銘を受けたことを伝えるためにはどういう表現が最適なのか、模索しながら見つけていくしかないのでしょうね。

文章を書く上で自分に問いかけてほしいこととして、2つの問いをあげてくださいました。

「印象に残ったことはなんですか」

読んだときに心に残る文章にするためには、取材で印象に残ったこと、伝えたいと思ったことを表現することが大切です。自分の感情が動いていないのに、人の心を動かすことはできないですよね。

「知らせたいことはなんですか」

自分が伝えたいことだけでなく、取材相手が読み手に「知らせたいこと」をきちんと書くことも大切です。

紫牟田さん自身も「読んだ人がおもしろいと思ってくれるかしら?」と悩むことがあるそうです。そのときに力になってくれるのが編集者。旅するスクールでは、参加者がライター、フォトグラファー、編集者の視点を持って、チームで支え合うので、安心してくださいね。

文章で伝えきれないことを写真で伝える

写真も大きな力になります。文章では表現しきれないことを伝えるために、フォトグラファー自身もインタビュアーと同じように取材をする必要があります。塩尻での実践編では、カメラ講座も受講できます。うーん、楽しみですね!!

一番大切なのは、相手に対する好奇心!

2時間の濃厚な講義で、参加者はインプットで精一杯の様子。そんな彼らの不安を払拭するように、「インタビューすれば”感動したから書きたい!伝えたい!”と思うはず。一番大切なのは、相手に対する好奇心」、そう最後に締めくくってくださいました。

講義のあとは、美味しい料理をいただきながら、Q&Aやインタビューの練習で熱くあつーく盛り上がったのでした。

ほんの触りしかお伝えできませんでしたが、興味を持ったかたは、ぜひ東京のライティングスクール#基礎編と塩尻の実践編に参加してみてください。きっと世界が広がりますよ!

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